低タンパク ~収量を取るか、食味を取るか~

 北海道米の味が評価され出したのは「きらら397」からと、生産者は口をそろえて語ります。
「どれだけ倒さず、そして収量を上げるか」かつては、食味とは無縁の米作りだったのです

 「タンパクが多いと粘りがなく、米の美味しさを損なう」タンパクと食味の関係が注目されるようになったのは、最近のことです。稲がタンパクを作る材料は、土壌のチッ素です。肥料が多すぎると、土壌のチッ素が増えて美味しい米になりません。
 ところが、肥料を減らすと、収量は下がります。低タンパク米づくりを始めた当初は、収量が落ち込んだために「人的冷害」などと皮肉られたこともあったとか。

 低タンパクと同時に収量を上げる。このために、少肥密植、中干しなど、ここにも生産者の技術の積み重ねがあります。
 そして、稲が強く育つために必要なケイ素。この資材(肥料)は、値段が高い上に継続して与えないと効果がなく、生産者はなかなか手を出しづらいものだとか。町では、平成23年度から独自の予算でこの資材を補助しています。
 北海道全体では、販売開始の平成21年度から2年連続、ゆめぴりかは期待した収量が上がりませんでした。しかし、奈井江の生産者は、「やればできる」ことを示したのです。
 
 美味しい米を届けたい。生産者の思いは、科学的な根拠に基づいた技術の飽くなき追求となっています。
このページの情報に関するお問い合わせ先
産業観光課 農政係TEL:0125-65-2118FAX:0125-66-2113